プリューレ・ロック クロ・ゴワイヨット 2008|1988年まで市場に出なかった0.55haのモノポール

この畑のワインは、1988年まで一般の愛好家が手にすることができませんでした。

ヴォーヌ・ロマネ村の中心部にある、わずか0.55haの小さなクロ。

Le Clos Goillotte(ル・クロ・ゴワイヨット)は、かつて家内消費のために保たれていた畑で、1936年にアペラシオン制度が整えられた際にも、畑とワインが記録されなかったという異例の歴史を持ちます。

そのワインが「Clos Goillotte」の名で市場に出るようになったのは、アンリ・フレデリック・ロックがこの畑を取得した1988年から。

今回ご紹介するのは、Domaine Prieuré Roch Vosne-Romanée Le Clos Goillotte Monopole 2008です。

ヴォーヌ・ロマネ村の中心にある、0.55haのモノポール

クロ・ゴワイヨットは、ヴォーヌ・ロマネ村の中心部に位置する0.55haのモノポール

モノポールとは、ひとつの畑をひとつの生産者が単独所有すること。

細かな区画が複数の所有者に分かれていることの多いブルゴーニュでは、それ自体が珍しい存在です。

ドメーヌによれば、畑のブドウ樹は平均で約50年。

さらにこのクロは、かつてコンティ公に関わる私的な畑として扱われ、長い間、家庭内で飲むためのワインとして外部へほとんど出ることがありませんでした。

「有名だから希少」なのではなく、そもそも長い間、市場に存在しなかった。

クロ・ゴワイヨットの特異さは、そこから始まります。

1988年、畑の取得とともに始まったプリューレ・ロック

ドメーヌ・プリューレ・ロックが設立されたのも、同じ1988年です。

創設者はアンリ・フレデリック・ロック。

現在、ドメーヌはヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴージョなどに約20haの畑を持ち、その中でもクロ・ゴワイヨットは、ドメーヌの出発点を語るうえで欠かせない区画です。

現在のドメーヌでは、畑で合成農薬を使わず、醸造では全房を用い、亜硫酸を加えないことを基本としています。

強い抽出や樽香で形をつくるのではなく、畑とブドウそのものをどう残すか。

プリューレ・ロックのワインに独特の存在感がある理由は、こうした造りの積み重ねにもあります。

2008年 — 難しい夏のあとに訪れた、冷涼で澄んだヴィンテージ

2008年のブルゴーニュは、決して簡単な年ではありませんでした。

冷涼で湿度の高い夏は病害や熟度のばらつきを招き、収穫前には厳しい選果が必要になりました。

しかし9月中旬以降、乾いた風と好天が訪れ、ブドウは鮮度を保ちながら成熟。

特にコート・ド・ニュイの赤ワインには、明るい酸、純度の高い果実、輪郭の明確さが現れた年として評価されています。

2009年のような豊満さとは異なり、2008年はより緊張感があり、華やかさよりも精度と鮮度が前に出るタイプ。

繊細さを持つクロ・ゴワイヨットと、このヴィンテージの性格は興味深く重なります。

ドメーヌ自身が「丸みと繊細さ」を語る畑

プリューレ・ロックは、クロ・ゴワイヨットについて、無限の丸みと並外れた繊細さを持つワインとして紹介しています。

力強さを前面に押し出すタイプではなく、質感や香りの重なり、余韻の細やかさに魅力がある畑。

2008年は、もともとのその性格に、冷涼年らしい張りと酸が加わったヴィンテージと考えることができます。

現在では収穫から18年。

熟成したブルゴーニュは、保管状態によって表情が大きく変わります。

若いワインのスペックを見るのではなく、ひとつの畑とヴィンテージが時間の中でどう変化したかを見る。

クロ・ゴワイヨット 2008は、そんな楽しみ方をしたい一本です。

ラベルに残る、プリューレ・ロックらしさ

ボトル正面には「Le Clos Goillotte 2008」の文字と、その下にプリューレ・ロックを象徴する独特の図像。

一般的なブルゴーニュのクラシックなラベルとは大きく異なる、簡潔で記号的なデザインです。

畑の歴史も、造り方も、ラベルも。

プリューレ・ロックは、ブルゴーニュの伝統の中にありながら、他とは異なる方法で自分たちのワインを形にしてきました。


Domaine Prieuré Roch Vosne-Romanée Le Clos Goillotte Monopole 2008

フランス・ブルゴーニュ|コート・ド・ニュイ|ヴォーヌ・ロマネ|モノポール|赤ワイン|ピノ・ノワール|2008年|750ml

ヴォーヌ・ロマネ村中心部にある0.55haのモノポール。かつて家内消費用として保たれ、1988年にアンリ・フレデリック・ロックが取得するまで一般に流通しなかった、ドメーヌを象徴する区画から生まれた一本です。

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