ヨイチ・ノボリ ロゼ・コム・ルージュ 2023|曽我貴彦氏が描く、余市のロゼ

Rosé comme Rouge。直訳すれば、「赤のようなロゼ」。

ドメーヌ・タカヒコを手がける曽我貴彦氏が、北海道・余市町登地区のブドウから造る「ヨイチ・ノボリ ロゼ・コム・ルージュ 2023」。

ロゼと聞いて想像する軽やかさだけでもなく、赤ワインのような濃さを目指すわけでもない。

その間にある表現を、余市のブドウから探った一本です。

ラベルに「Domaine Takahiko」と書かれていない理由

ボトルをよく見ると、ラベルに記されているのは「Takahiko Soga」

ドメーヌ・タカヒコの名はありません。

これは、このワインの成り立ちと関係しています。

曽我氏が所有する「ナナ・ツ・モリ」のブドウではなく、余市町登地区でブドウを育てる契約農家から購入した果実を、自ら醸造したもの。それが「ヨイチ・ノボリ」シリーズです。

ドメーヌ・タカヒコ公式も、自園のワインには「Domaine Takahiko Soga」、購入ブドウによるヨイチ・ノボリには「Takahiko Soga」のみを記すと説明しています。

土地は余市・登。

育てる人がいて、醸す人がいる。

その関係まで、ラベルに表されています。

2023年は、ツヴァイゲルトを中心に

2023年のロゼ・コム・ルージュは、ツヴァイゲルトを主体としたヴィンテージとして流通しています。北海道のワインリストでも、2023年はツヴァイゲルトとして掲載され、翌2024年はピノ・ノワール50%、ツヴァイゲルト50%へ構成が変わっています。

ツヴァイゲルトは、北海道・余市でも長く栽培されてきた赤系品種。

ドメーヌ・タカヒコ自身も、ツヴァイゲルトについて、力強い骨格と華やかな果実味を備える品種として紹介しています。

ロゼの軽やかさを持ちながら、赤ワインを思わせる果実や骨格も残す。

「Rosé comme Rouge」という名前は、単なる言葉遊びではなく、このワインの立ち位置そのものです。

余市だから生まれるワイン

曽我氏がドメーヌを構えたのは、北海道・余市町登地区。

畑は火山性の粘土土壌を持つ丘陵地にあり、余市は北海道の中では比較的温暖で、降水量も少ない地域です。

周囲の山や岬によって強風から守られ、冬には積雪がブドウ樹を厳しい寒さから覆うという、独特の環境があります。

曽我氏が目指しているのは、濃さそのものではありません。

公式サイトには、「繊細ながらも深く、幅があり、余韻が長い」ワインへの考えが記されています。

野生酵母や全房発酵を軸に、できる限り発酵を見守るという醸造哲学も、ドメーヌ・タカヒコを特徴づけるものです。

ロゼ・コム・ルージュにも、その考え方がつながっています。

色の濃さやカテゴリーではなく、口に含んだあとに何が残るのか。

そこに重きを置いたワインです。

ロゼなのか、赤なのか

ワインには、「赤」「白」「ロゼ」という分かりやすい分類があります。

けれど、この一本はその境界を少し曖昧にします。

ロゼらしい透明感。

ツヴァイゲルトから生まれる赤い果実のニュアンスと骨格。

そして、曽我氏のワインに共通する、軽やかさの奥に残る旨味。

ロゼのように飲めて、赤ワインのようにも向き合える。

「Rosé comme Rouge」という名前には、そんな自由さがあります。


ヨイチ・ノボリ ロゼ・コム・ルージュ 2023

北海道・余市町|日本ワイン|ロゼワイン|2023年|750ml

余市町登地区のブドウを曽我貴彦氏が醸した、Takahiko Soga Yoichi-Nobori Rosé comme Rouge 2023。2023年はツヴァイゲルトを中心に造られたヴィンテージです。

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