
ジャック・セロス ロゼとV.O.|シャルドネが見せる、異なる表現
写真左は、ジャック・セロスのロゼ。右は、V.O. Version Originale。
淡いロゼ色と、深みのある黄金色。
見た目は大きく異なりますが、二本の中心にあるのは、どちらもシャルドネです。
少量のピノ・ノワールを重ねることで表情を広げるロゼ。
シャルドネだけで、畑や熟成の輪郭を見せるV.O.。
同じ造り手、同じブドウを起点にしながら、異なる方向へ向かう二本です。
ロゼ。それでも主役はシャルドネ
ロゼ・シャンパーニュと聞くと、ピノ・ノワールの存在を強く想像するかもしれません。
しかし、ジャック・セロスのロゼはシャルドネを主体に造られています。
そこへ加えられるのが、シャンパーニュの特級村アンボネで育ったピノ・ノワール。
量としてはわずかでも、その存在によって色だけではなく、香りや味わいの輪郭にも別の層が加わります。
白い花や柑橘を思わせるシャルドネの緊張感に、赤い果実を思わせるニュアンスが重なる。
ロゼを造るためにシャルドネを脇役にするのではなく、シャルドネの表現を広げるためにピノ・ノワールを使う。
そう考えると、このロゼの見え方も少し変わります。
V.O.は、シャルドネだけでどこまで見せるか
一方のV.O.(Version Originale)は、シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン。
アヴィーズ、クラマン、オジェというコート・デ・ブランの特級村のシャルドネから造られ、Extra Brutとして仕上げられています。
V.O.とは、Version Originale。
「原型」「本来の姿」といった意味を持つ名前です。
別のブドウを加えることなく、シャルドネ、土地、樽での時間、瓶内熟成。
それらによって生まれたものを、できるだけそのまま見せていく。
ロゼとは反対に、V.O.では「何を加えるか」よりも、何を残すかに意識が向きます。
加えるロゼ、研ぎ澄ますV.O.
二本を並べると、ジャック・セロスの面白さがよく分かります。
ロゼでは、シャルドネにピノ・ノワールを重ねる。
V.O.では、シャルドネだけで組み立て、低いドサージュで仕上げる。
一方は要素を加えることで広がりをつくり、もう一方は構成を絞ることで輪郭を際立たせる。
けれど、目指しているものはそれほど離れていません。
どちらも「シャンパーニュらしい味」を先に決めるのではなく、ブドウと畑から生まれたワインを、どう一本のシャンパーニュとして見せるかという発想から造られています。
二本を並べるから見えてくるもの
一本ずつ飲んでも、それぞれに完成されたシャンパーニュです。
ただ、二本が隣にあると、違う楽しみ方ができます。
同じシャルドネというブドウが、ピノ・ノワールを迎えたときにどう変わるのか。
シャルドネだけで組み立てたとき、どんな輪郭が残るのか。
色、香り、質感、余韻。
違いを追っていくと、最後に見えてくるのはロゼとV.O.の優劣ではなく、ジャック・セロスがシャルドネというブドウから引き出す表現の幅です。
二本を並べて見る意味は、そこにあります。
ジャック・セロス Brut Rosé / V.O. Version Originale
フランス・シャンパーニュ|シャンパーニュ|750ml
写真左:Jacques Selosse Brut Rosé
写真右:Jacques Selosse V.O. Version Originale Extra Brut Blanc de Blancs
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