
ルロワ ミュジニー 2011|約3樽分しか存在しないグラン・クリュ
2025年のWine-Searcherによる世界平均小売価格ランキングで、ドメーヌ・ルロワ ミュジニーは世界で最も高価なワインに位置づけられました。
2011年の生産本数は、わずか892本。750ml換算で約669L、ブルゴーニュの標準的な228L樽に置き換えると、約3樽分です。
ブルゴーニュを代表するグラン・クリュのひとつ、ミュジニー。その中でドメーヌ・ルロワが所有する区画は、わずか0.27haです。
畑の小ささだけでも十分に希少ですが、2011年は天候の振れ幅が大きく、収穫時の厳しい選果が品質を左右した年でもありました。限られた区画と限られた果実から生まれた一本です。
0.27haのミュジニー

ミュジニーは、シャンボール・ミュジニー村に位置するグラン・クリュ。ドメーヌ・ルロワの所有面積は0.27haにすぎません。
ドメーヌ全体で見ても、このミュジニーは特に小さな所有区画のひとつです。2011年の総生産は892本。750ml換算で約669Lとなり、ブルゴーニュで一般的な228Lの「ピエス」に換算すると約2.9樽分です。これは実際の仕込み樽数を示すものではありませんが、生産量の少なさを実感できる数字です。
数字だけを見ると、1,000本にも届きません。世界中に流通するブルゴーニュの中でも、出会う機会そのものが限られる理由がここにあります。
2011年、早い春と不安定な夏
2011年のブルゴーニュは、非常に早い春のあと、夏に雨や嵐が続いたヴィンテージでした。8月末から9月にかけて天候が回復し、区画ごとの成熟を見ながら収穫すること、そして収穫後に厳しく選果することが重要になった年です。
コート・ド・ニュイでは、結果としてエレガントでシルキーな赤ワインが生まれ、適度なアルコール、フレッシュさ、バランスの良さが2011年の特徴として挙げられています。
ルロワが2011年に見せた精度
ドメーヌ・ルロワは、ビオディナミ農法と極めて低い収量で知られる生産者です。2011年のように畑での判断と選果が問われる年ほど、その仕事の差がワインに表れます。
当時の評価でも、ルロワの2011年は果実の濃さだけではなく、赤・黒系果実、花、スパイス、石を思わせるミネラル感、そしてシルキーな質感が重なったワインとして高く評価されました。
強さを前面に出すというより、密度がありながら重さを感じさせない。その均衡が、ミュジニーという畑とルロワの仕事を同時に感じさせます。
ラルー・ビーズ=ルロワとミュジニー
ミュジニーは、ラルー・ビーズ=ルロワにとって個人的な意味も持つ畑です。
彼女が生まれた際、父アンリ・ルロワが1929年のミュジニーを唇に一滴つけた、という逸話が残されています。現在のドメーヌ・ルロワを語るうえで、ミュジニーが特別な位置を占める理由のひとつです。
0.27haという小さな区画。2011年に造られた892本。樽容量に置き換えれば約3樽分しか存在しないこの一本は、今未のセラーに並ぶワインの中でも、とりわけ希少な存在です。その数字の背景には、ひとつの畑を長く見続けてきた時間があります。
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