
シャトー・ムートン・ロスチャイルド 2023|93%カベルネと「Paraíso」のラベル
93%のカベルネ・ソーヴィニヨンと、ポルトガル人アーティストとして初めてムートンのラベルを手がけたジョアナ・ヴァスコンセロス。
Château Mouton Rothschild 2023(シャトー・ムートン・ロスチャイルド 2023)は、ポイヤック第1級シャトーが手がけるグラン・ヴァン。2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン93%、メルロ7%という構成で、ムートンらしい力強さと、2023年らしい鮮度を併せ持つヴィンテージです。
そしてボトルを飾るのは、ポルトガル人アーティストJoana Vasconcelos(ジョアナ・ヴァスコンセロス)による「Paraíso」。自然と人の手が一つのワインを生み出す過程を、鮮やかな色彩で表現しています。
1973年、第1級へ昇格したムートン・ロスチャイルド

シャトー・ムートン・ロスチャイルドは、ボルドー左岸・ポイヤックを代表するシャトーの一つです。
1855年のメドック格付では第2級とされましたが、フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵は長年にわたりその評価の見直しを求め続けました。
そして1973年、当時のフランス農業大臣ジャック・シラクが署名したデクレによって、ムートン・ロスチャイルドは正式にPremier Cru Classé(第1級)へ昇格します。
その歴史は、品質だけでなく、ワインと芸術を結びつけてきた独自の文化によっても知られています。
93%カベルネ・ソーヴィニヨン。2023年のアッサンブラージュ
2023年のアッサンブラージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン93%、メルロ7%。
ムートンの畑は、海抜約27メートルの「Plateau de Mouton(プラトー・ド・ムートン)」を中心に広がる深い砂利質土壌。シャトー全体ではカベルネ・ソーヴィニヨンが主要品種を占め、そのタンニン、豊かな香り、長期熟成能力がムートンの骨格を形づくります。
2023年は、そのカベルネの存在感が特に明確なブレンド。メルロは7%に抑えられ、黒系果実、グラファイト、緻密なタンニンがワインの中心をつくっています。
穏やかな冬、記録的に暑かった6月
2022年の少雨のあと、2023年の冬は穏やかで雨が多く、土壌の水分量が回復しました。
4月初旬には順調に生育が始まり、5月末の開花は例年より約5日早く進行。
そして6月は、ムートンが気温記録を開始した1962年以来、最も暑い6月となりました。
フランス各地が夏の熱波に見舞われた一方、ボルドーで極端な暑さが現れたのは主に8月末と9月初旬。9月初旬の暑さとともに収穫が始まりました。
9月7日から30日。雨が果皮を整えた収穫期
2023年の収穫期間は9月7日から9月30日。
収穫中は、暑く晴れた日と雷雨が交互に訪れる不安定な天候となりました。
しかし、この雨は必ずしもマイナスではありません。ムートンの公式資料では、降雨によって糖分の過度な蓄積が抑えられると同時に、果皮がより良い状態へ整えられたと説明されています。
9月最終週には再び夏を思わせる日照が戻り、収穫は理想的な条件で締めくくられました。
完熟ブラックベリー、ダークチョコレート、グラファイト
公式テイスティングコメントでは、外観は真紅の光沢を帯びた、輝きのあるガーネット色。
香りには、完熟したブラックベリー系果実。そこへパティスリー、砂糖菓子、ダークチョコレートのニュアンスが重なります。
口当たりは濃厚で肉づきがよく、タンニンは力強い一方で滑らかに溶け込み、ワイン全体にエネルギーを与えています。
さらにグラファイト、スモーキーな焦焙香、ローストしたヘーゼルナッツ、カカオ豆へと続き、長い余韻を残します。
黒系果実の熟度と芳醇さを持ちながら、重さだけに傾かず、鮮度と精緻さを保っていることが2023年の特徴です。
2023年ラベルは、ジョアナ・ヴァスコンセロス「Paraíso」
ムートン・ロスチャイルドでは、1945年以来、毎年そのヴィンテージのために制作された現代美術作品をラベルに採用しています。
2023年を担当したのは、ポルトガル出身のアーティストJoana Vasconcelos。ポルトガル人アーティストがムートンのラベルを手がけるのは初めてです。
作品名は「Paraíso(パライーゾ/楽園)」。
作品中央にはブドウの房。その周囲に、ワインを生み出すために欠かせない土、水、太陽の光、夜の涼しさが配置されています。
さらに尖った三角形は、人の手が自然へ働きかける姿を象徴。自然だけでも、人だけでもなく、両者の調和によって偉大なワインが生まれるという考えが描かれています。
アートとワインが、一つのヴィンテージを記録する
ムートンのラベルは、単なる装飾ではありません。
1945年の「V for Victory」以来、ピカソ、シャガール、ウォーホル、バスキア、ジェフ・クーンズ、塩田千春など、時代を代表するアーティストがその年のラベルを手がけてきました。
2023年の「Paraíso」もまた、そのヴィンテージのワインとともに、2023年という時間を残す作品の一つです。
Château Mouton Rothschild 2023
フランス|ボルドー|ポイヤック|Premier Cru Classé|Cabernet Sauvignon 93%・Merlot 7%|赤ワイン|Vintage 2023|収穫 9月7日〜30日|750ml
高い比率のカベルネ・ソーヴィニヨンが生む黒系果実、グラファイト、緻密なタンニンと、2023年らしい鮮度。そこへジョアナ・ヴァスコンセロスの「Paraíso」が加わり、ワインとアートの両面からムートン・ロスチャイルドの2023年を表現しています。
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