コシュ・デュリ ヴォルネイ 1er Cru 2018|白の名手が手がける希少なピノ・ノワール

白ワインの名手として知られるコシュ・デュリが、ヴォルネイで手がける希少な赤。

Domaine Coche-Dury Volnay 1er Cru 2018(ドメーヌ・コシュ・デュリ ヴォルネイ プルミエ・クリュ 2018)は、コート・ド・ボーヌの名村ヴォルネイから生まれるピノ・ノワール。

2018年は温暖で成熟度の高いヴィンテージですが、このワインには果実の豊かさだけでなく、赤・黒系果実の純度、花の香り、ミネラル感、そして長期熟成を意識した引き締まった構造が表れています。

白だけではない、コシュ・デュリの赤

コシュ・デュリといえば、ムルソーやコルトン・シャルルマーニュをはじめとする白ワインで世界的に知られる造り手です。

しかしドメーヌでは、ピノ・ノワールから赤ワインも少量生産しています。

iDealwineの生産者資料では、所有する約10ヘクタールのうち、シャルドネとアリゴテが大半を占め、ピノ・ノワールは約2.5ヘクタール。赤ワインの生産量はもともと限られています。

そのため、コシュ・デュリの赤は白以上に目にする機会が少なく、特にヴォルネイのプルミエ・クリュは、ドメーヌのもう一つの顔を知ることのできるキュヴェです。

ジャン=フランソワからラファエルへ

ドメーヌの歴史は20世紀初頭にさかのぼります。

1960年代にはジョルジュ・コシュが自家瓶詰めを進め、1975年からジャン=フランソワ・コシュがドメーヌを継承。オディール・デュリとの結婚を機に、現在の「Coche-Dury」という名称になりました。

その後、1997年からドメーヌで働いていた息子のRaphaël Coche(ラファエル・コシュ)が、2010年から中心となってワイン造りを担っています。

TaillepiedsとClos des Chênes、2つの1級畑

2018年のVolnay 1er Cruは、ワイン評論家Allen Meadows(Burghound)によると、Taillepieds(タイユピエ)とClos des Chênes(クロ・デ・シェーヌ)のブレンドです。

どちらもヴォルネイを代表するPremier Cruですが、性格は少し異なります。

一般にTaillepiedsは斜面と石灰質土壌から緊張感やミネラル感を感じさせるワインを生み、Clos des Chênesはより厚みと骨格を備えたスタイルとして知られています。

この2区画を組み合わせることで、ヴォルネイらしい香りの華やかさに、しっかりとした構造と長い余韻が重なります。

2018年|暑さと成熟度の高いブルゴーニュ

2018年のブルゴーニュは、非常に暑く乾燥した生育期となりました。

冬から春にかけては雨が多かったものの、夏は高温と乾燥が続き、ブドウは高い成熟度へ到達。ピノ・ノワールは9月初旬から収穫が進みました。

Decanterは2018年のコート・ドールの赤を高く評価しており、優れた造り手では、豊かな果実と十分な熟度を持ちながら、長期熟成に耐える赤ワインが生まれたとしています。

一方で、暑い年だからこそ、過熟や酸不足を避けるための造り手の判断が重要でした。

赤と黒の果実、花、ミネラル。そして若々しい厳格さ

Burghoundは2018年のCoche-Dury Volnay 1er Cruを93点と評価しています。

香りには、非常に純度の高い赤系・黒系ベリー。そこへスパイスと華やかな花のニュアンスが重なります。

味わいは中程度のボディながら、しっかりとした力とミネラル感を備え、フィニッシュは引き締まり、若いうちはやや厳格。

華やかさだけで飲ませるのではなく、時間をかけてほどけていく構造を持つ点が、この2018年の重要な特徴です。

ヴォルネイらしい優雅さと、コシュ・デュリらしい精密さ

ヴォルネイは、コート・ド・ボーヌの赤ワインの中でも、とりわけ香りの繊細さや優雅さで語られることの多い村です。

そこにコシュ・デュリらしい純度、密度、長い余韻が加わることで、単に柔らかく華やかなだけではない、芯のあるヴォルネイへ仕上がっています。

白ワインの評価があまりにも高い造り手だからこそ、赤ワインを味わうことで、ドメーヌが持つ「テロワールを精密に映す」という思想を別の角度から見ることができます。

Domaine Coche-Dury Volnay 1er Cru 2018

フランス|ブルゴーニュ|コート・ド・ボーヌ|Volnay Premier Cru|Domaine Coche-Dury|Pinot Noir|Vintage 2018|Taillepieds & Clos des Chênes|赤ワイン|750ml|12.5%

温暖だった2018年の熟した果実に、ヴォルネイらしい花の香りとミネラル感、そしてコシュ・デュリらしい精密な構造を重ねた一本。白の名手が少量だけ手がける、希少なPremier Cruの赤です。

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