
ドメーヌ・デ・ミロワール I Need the Sun 2018 / Ja-Do! 2021|ジュラで生まれる二つの表現
同じ造り手から生まれた、シャルドネと二つの黒ブドウ。
写真左は、I Need the Sun 2018。
右は、Ja-Do! 2021。
造るのは、フランス・ジュラ地方でドメーヌ・デ・ミロワールを営む日本人醸造家、鏡 健二郎氏です。
I Need the Sunは、シャルドネを果皮とともに醸すことで、一般的な白ワインとは異なる表情を引き出した一本。
Ja-Do!は、ジュラを代表する黒ブドウであるプールサールとトゥルソーを重ねた赤ワインです。
同じ土地、同じ造り手。
それでも、選ぶブドウと醸し方が変われば、ワインの景色も大きく変わります。
日本からジュラへ。鏡 健二郎という造り手
鏡健二郎氏は、もともと日本でエンジニアとして働いていました。
ワインへの関心を深め、2001年に渡仏。
その後ブルゴーニュで醸造を学び、ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ、コルナスのティエリー・アルマン、アルザスのブルノ・シュレールなどで経験を積みます。
そしてジャン・フランソワ・ガヌヴァとの縁から、ジュラ南部のグリュスに畑を取得。2011年頃から、自身のドメーヌとしてワインを造り始めました。
「Kagami」は、日本語で「鏡」。
そこから名付けられたのが、Domaine des Miroirs(ドメーヌ・デ・ミロワール)です。
I Need the Sun 2018|シャルドネを、皮ごと醸す
I Need the Sun 2018に使われるのは、シャルドネ100%。
一般的な白ワインのように果汁だけを発酵させるのではなく、除梗したブドウを約2週間、果皮とともにステンレスタンクで醸す方法が採られています。
その後、使用済みの樽や大樽で約2年間熟成し、さらに瓶内で時間を重ねます。
野生酵母による発酵、無濾過・無清澄、亜硫酸無添加という情報も確認されています。
シャルドネという見慣れた品種でも、果皮と過ごす時間が加わることで、色も香りも質感も変わる。
海外ではオレンジワインとして紹介される一方、日本の輸入元では白ワインとして扱われています。
カテゴリーの名前よりも、シャルドネをどこまで違う表情にできるのかを見る方が、このワインには似合っています。
Ja-Do! 2021|二つのジュラ品種をひとつに
一方のJa-Do! 2021は赤ワイン。
使われるのは、プールサールとトゥルソーです。どちらもジュラを語るうえで欠かせない黒ブドウですが、性格は異なります。
プールサールは色調が淡く、軽やかさや繊細さを見せやすい品種。
トゥルソーは、そこにもう少し色、骨格、スパイスを与えます。
鏡氏の畑は小さく、iDealwineの資料ではプールサール約0.4ha、トゥルソー約0.2ha。シャルドネやサヴァニャンに比べても、黒ブドウの植栽面積はごく限られています。
その二つを合わせて造られるJa-Do!は、毎年大量に造られる定番品とは少し違う位置づけのワインです。
太陽を求めるシャルドネ。二つを合わせる赤。
名前にも、鏡氏のワインらしさがあります。
I Need the Sun。
そして、
Ja-Do!。
堅いフランス語の畑名でも、品種名でもない。
ラベルに書かれているのは、まるで会話の途中から切り取ったような言葉です。
けれど、中身は極めて土地に近い。
ジュラのシャルドネを果皮とともに醸す一本。
プールサールとトゥルソーを合わせる一本。
自由な名前の向こう側にあるのは、土地とブドウをできるだけ余計に飾らず、ワインとして残そうとする仕事です。
二本を並べるから分かること
I Need the Sun 2018とJa-Do! 2021。
白と赤。
シャルドネと黒ブドウ。
2018年と2021年。
共通点よりも、違いの方が多く見える二本です。
だからこそ、並べると面白い。
同じ人が同じ土地でワインを造っても、品種やヴィンテージが変われば、それぞれ別の形になる。
造り手の個性とは、いつも同じ味を造ることではない。
ドメーヌ・デ・ミロワールの二本を見ていると、そんなことを考えさせられます。
Domaine des Miroirs I Need the Sun 2018 / Ja-Do! 2021
フランス・ジュラ|Vin de France|750ml
写真左:I Need the Sun 2018 / Chardonnay
写真右:Ja-Do! 2021 / Poulsard & Trousseau
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